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学部紹介Faculty Introduction

研究活動

理学療法学科

病気やケガなどによる運動機能の障害を改善したり、心不全や糖尿病などの慢性疾患の悪化を防いだり、高齢者の身体機能を維持したりと、理学療法の需要は近年ますます増加しています。それにともなって理学療法学科では様々な最新トピックスに関する研究活動を行なっています。

【中枢神経疾患領域】

脳卒中や脊髄損傷、神経変性疾患(パーキンソン病など)などの中枢神経疾患後の新しいリハビリテーション技術の開発とその効果メカニズムを研究しています。最新の臨床神経生理学やリハビリテーション工学、神経科学の知見と技術を融合し、大きく以下の3つの研究テーマで活動しています。

1. 脳卒中・脊髄損傷後の機能回復に関する研究
 ・非侵襲的電気・磁気刺激によるリハビリテーションの開発と効果に関する研究(藤原・松田・山口)
 ・運動機能回復の神経学的機序の解明に関する研究(藤原・髙橋)
 ・高次脳機能障害に関する研究(藤原・藤野)

理学_TMS

経頭蓋磁気刺激によるリハビリテーションの
開発と効果に関する研究

理学_経皮的脊髄電気刺激

経皮的脊髄電気刺激による脳卒中患者の歩行再建
2. 上肢・下肢ロボットによるリハビリテーションに関する研究
 ・重度片麻痺患者に対する上肢ロボットの効果検証(藤原・山口・春山)
 ・下肢ロボットを用いた脊髄評価・治療システムの開発(髙橋)
 ・小児の脳性麻痺患者に対する下肢ロボットの効果検証(松田)

理学_下肢ロボット

小児の脳性麻痺患者に対する下肢ロボットの効果検証
3. 神経変性疾患のリハビリテーションに関する研究
 ・パーキンソン病のリハビリテーションに関する研究(眞壁・羽鳥・松田・伊澤)
 ・脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症の転倒やリハビリテーションに関する研究(春山)
【内部疾患・高齢者領域】

1. 内部疾患の最適トレーニング法に関する研究

高齢患者さんの多くが筋力の低下を認めますが、最近、筋肉の質も大きく変化していることがわかってきました。筋肉の質を多方面から評価し、最適なトレーニング方法を開発する研究に取り組んでいます。

理学_骨格筋

超音波装置を用いた骨格筋の質的研究
2. 呼吸筋力に関する研究

最近の研究で内部疾患患者さんの呼吸筋力は低下しやすいことが明らかになりつつあります。そこで呼吸筋力を多面的、客観的に評価し、呼吸筋低下に関わる要因の解明に関する研究に取り組んでいます。

理学_心配運動負荷試験

呼気ガス分析装置を用いた心肺運動負荷試験
3. 包括的腎臓リハビリテーションに関する研究

新たな国民病とされる慢性腎臓病(CKD)患者さんの「健康寿命の延伸」に向け、骨・骨格筋機能維持、転倒予防、生活機能の維持に対する包括的腎臓リハビリテーションに関する研究に取り組んでいます。
【運動器・スポーツ領域】

身体の基本的な構成要素である骨関節・筋・靭帯などの運動器に生じる加齢変化や、スポーツによる外傷や障害の発生要因の解明や治療法確立に関する研究をおこなっています。

1. 変形性関節症に対する理学療法の標準化に関する研究

変形性膝関節症を有する患者さんの筋力低下のメカニズムの解明や、手術前後の患者さんに実施する理学療法の効果検証をおこなっています。

 ・変形性膝関節症における筋力低下のメカニズムの解明
 ・変形性関節症に対する徒手理学療法の効果検証
 ・人工膝関節置換術前後のリハビリテーションの標準化

2. スポーツ外傷・障害の発生予防に関する研究

スポーツ現場で生じる、様々な外傷・障害の発生の原因を解明し、それらの予防につなげるため、大規模な疫学調査や、力学的な検証をおこなっています。 

 ・膝靭帯損傷・再建術後患者の再受傷リスク要因の解明
 ・第5中足骨疲労骨折発症のリスク推定
 ・成長期野球選手における投球障害発生予防に向けた取り組み 

理学_骨疲労骨折発症リスク

1854名のサッカー選手を対象に人工芝使用頻度と第五中足骨疲労骨折(MT-5)発症の関連性を調査したところ人工芝をあまり使用しない群(20%以下)と比較して、人工芝使用頻度の高い群(80%以上)はMT-5発症リスクが3.4倍になることが明らかになった。(Miyamori, Ikeda et.al. 2019 BMJ Open)

理学_運動_7

成長期の野球選手に対するメディカルチェックの実施および追跡調査による障害発生要因の検討
3. スポーツ選手の競技能力維持・向上に関する研究

外傷や障害発生・再発予防だけでなく、競技能力の維持や向上にも着目し、トップアスリートから学生アスリートまで幅広い年代に対しての取り組みをおこなっています。アスリートにとって、身体の些細な変化は、パフォーマンス発揮に大きく影響する可能性があります。細かな評価を行いスポーツ外傷・障害のリスクを推定し、未然に外傷・障害を予防することで、アスリートがより良いパフォーマンス発揮ができることを目指しています。

 ・膝靭帯損傷・再建術後患者における競技パフォーマン低下要因の検討 
 ・物理刺激がパフォーマンスに与える影響について
  温冷交代浴が自立神経応答に及ぼす影響や、高強度運動後の電気刺激が筋の硬さに与える影響についてを検討
 ・障害予防およびパフォーマンス向上に必要な投球負荷量の推定

理学_膝靭帯損傷3Dモデル

3次元モデルによる膝靭帯損傷患者のパフォーマンス検討
◆ 各教員の研究テーマはこちら
https://www.juntendo.ac.jp/hs/pt.html#anchor04

診療放射線学科

現代の医療には、放射線画像診断や放射線治療は欠かせない技術になっています。診療放射線分野における機器や撮影技術の進化は目覚ましく、常に最先端のテクノロジーをいち早く取り入れ、病気の予防や治療へ貢献しています。放射線医学には、X線撮影装置やコンピュータ断層撮影(CT)装置、磁気共鳴撮像(MRI)装置などを用いた画像診断、微量の放射性物質を体内に投与して臓器の形態や機能を観察する核医学(RI)、放射線を患部に照射して悪性腫瘍を治療する放射線治療3つの柱があり、全ての柱で研究開発が盛んに行われています。

原発事故に代表されるように、放射線は取り扱い方法次第で毒にも薬にもなります。したがって、放射線に関わる法律はいくつもあり、管轄省庁も様々です。診療放射線技師は放射線を扱う専門職であり、これらの法律や安全管理のプロフェッショナルです。放射線関係法規を系統だって研究し、一般の方にわかりやすい表現を用いて、正しい情報を社会に発信しています。

中枢神経系の画像診断は、専門のスキルが要求される分野のひとつです。たとえば認知症の診断には、脳のどの部位に萎縮や血流低下が認められるかを知る必要があります。数多く存在する画像検査法の中から、診断に必要な検査法の組み合わせを正確に判断するには、豊富な経験と研究に裏付けされたデータが必要になります。

放射_認知症

脳血流画像解析(3DSRT)
画像診断に用いられる検査法のひとつである磁気共鳴画像(MRI)は、体の様々な部位の断面を撮像する技術であり、脳梗塞や認知症をはじめとした中枢神経系やその他の臓器の画像診断に広く用いられています。磁気と電波を用いる検査法で、放射線を用いずに体内を観察できるのが特徴です。X線検査では発見できない病気がMRIで発見できることも多く、人工知能(AI)を取り入れた技術開発研究も盛んに行われています。

放射_MRI

拡散テンソルトラクトグラフィー(神経線維の描出)に関する研究
核医学(RI)検査法のひとつであるFDG-PET検査は、がん細胞が通常の細胞よりも8〜10倍多くブドウ糖(ブドウ糖は細胞のエネルギー源)を取り込む現象を利用した検査です。放射性物質で標識したブドウ糖を静脈に注射して、ブドウ糖が多く取り込まれる部位を画像化することで、がんを発見します。がん診療の最前線で新しい画像診断法が研究開発されています。

放射_FDG_PET

FDG-PET/CT fusion images
放射線治療の領域では、悪性腫瘍に対してより安全にそして効率的に放射線照射ができる方法の開発が、がん診療の最前線で進められています。

放射_悪性腫瘍

画像情報と高精度放射線治療の融合的研究
患者さんや医療従事者の健康を守る上で医療被ばく線量を測定することは重要です。患者さんや医療従事者の医療被ばく線量を適切に管理するため、診断領域線量測定の全国調査を行い、正しい被ばく管理の啓発活動もしています。

放射線を理解する上で基本となる素粒子物理学や、血管の構造や機能と各臓器との関連を通じて全身を理解する心臓血管生理学なども、専門的に研究しています。

◆ 各教員の研究テーマはこちら
https://www.juntendo.ac.jp/hs/rt.html#anchor04

[共同研究講座] デジタルヘルス・遠隔医療研究開発講座

本講座では最新のデジタル技術を用いた以下のような研究を行い、従来の医療を改善する機器、技術を開発しています。

(1) 心不全の遠隔自己モニタリングシステム

心臓のポンプの機能が低下することで血液の循環が滞り、全身の臓器に十分な血液を送ることができなくなる状態を心不全と呼びます。心不全をうまくコントロールするためには患者さんの日々の状態を把握することが重要ですが、医療従事者が自宅における血圧や酸素飽和度、心音などを把握していくことは困難です。本講座では、人工知能とインターネット技術を駆使して患者さんのご自宅でのこれらの状態を把握し、診療に役立てる技術を開発しています。
2021年9月までに多くの心不全の患者さんに実際にデータを収集してもらい、現在データ解析と技術開発の最中です。

01_心不全

(2) 音声によるカルテ入力システム

患者さんの医療記録となるカルテは重要な文書ですが、その入力には多くの時間がとられるため、患者さんを診療する時間そのものを圧迫することもあります。本講座では医療従事者のカルテ入力にかかる労力を減らし、より良い診療と業務効率の改善を目指すため、人工知能による音声認識システムを使用したカルテ入力システムを開発しています。

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(3) 遠隔リハビリテーション

心不全の方はリハビリテーションを続けていくことで心不全による入院や死亡率を下げることが出来ることが知られていますが、いったん病院から退院してしまうとリハビリテーションの継続が難しく、中断してしまうことが問題となっています。本講座では、心不全患者さんの負担を軽減しリハビリテーションの参加率をあげるために、オンライン診療と遠隔モニタリングの技術を活用して、自宅や自宅から通いやすい距離の施設でリハビリテーションができるシステムを開発しています。

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(4) 新型コロナウイルス感染症と遠隔モニタリング

新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、患者さんの健康を守るとともに、医療従事者自身が業務により感染するリスクを減らすことが非常に重要となりました。感染リスクを減らすには、バイタルサイン測定などでの患者との接触を減らすことが重要ですが、単に接触を減らすだけでは患者さんの観察が不十分になりかねません。本講座では、遠隔モニタリングを使い、医療従事者と患者の接触を安全に減少させるシステムを模索しました。結果、安全に患者さん自身により正確なバイタルサイン測定をして、それを即座に医療従事者が参照できる遠隔システムを確立し、医療従事者の負担削減が得られました。これらの結果は科学論文として出版済み(一部は今後出版予定)となっています。

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(5) 顔認証技術による心不全の状態把握

近年の人工知能を用いた顔認証技術の発達により、多くの場所で顔写真から個人を識別したり、体調を判断したりするようなアプリケーションが使われるようになっています。本講座では、GLORY株式会社との共同研究として、カメラで撮影した映像から写真から心不全患者さんや透析患者さんの体液貯留量を客観化できないかという取り組みをしております。2021年9月までに患者さんのデータを収集し終わっており、人工知能モデルを含む、技術の開発を行っています。

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(6) 人工知能を用いた自動超音波診断の検証

超音波画像を含む医療画像は撮像や読影に高度な専門知識を要し、その知識の習得にも多くのトレーニングが必要であるという難点がありました。本講座では協力施設と共同で、EchoNous社と共同研究を行い、小型超音波機器による心臓超音波検査の実施を人工知能でアシストし、撮られた画像を自動的に解析するプログラムの検証を行っています。2021年9月までに患者さんのデータを収集し終わり、データの解析、論文の作成を行っています。

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研究業績

保健医療学部の研究業績を掲載しています。

2020年 理学療法学科 診療放射線学科

2019年 理学療法学科 診療放射線学科

順天堂保健医療学雑誌   (オンライン)ISSN:2435-5860 (冊子版)ISSN:2435-5852

■第1巻第1号 2020年3月

■第2巻第1号 2021年3月

■第3巻第1号 2022年3月